第105回
接続詞にも新語が生まれることがある

 日本で毎年生まれる新語は圧倒的に名詞が多い。「イクメン」「スマホ」「どや顔」など、記憶に新しい新語はすべて名詞である。
 だが、他の品詞でも新語が生まれないわけではない。たとえば2つ以上の文章をつなぐ働きをもつ、少数派の接続詞。これだって新語が生まれるときがある。接続詞がどれだけ少ないかというと、総項目数90,320語の『新選国語辞典』第9版には収録語の品詞別分類が示されているのだが、そのうち接続詞はわずか97語しかない(もちろん日本語の接続詞の数がこれですべてということではない)。
 このような新しい接続詞と呼べる語に、「今日は帰りが遅くなった。なので、夕飯は簡単にすませた」などと使われる「なので」がある。
 実はこの「なので」を、本コラムの第97回で使用したところ、読者の方から違和感があるというご指摘をいただいた。私自身は違和感というほどではないのだが、主にくだけた言い方をしたいときに使い、改まった文章のとき(たとえば目上の人に出す手紙など)では使用を避けていることばではある。
 辞書の世界では、この「なので」は一般に定着したかどうか注意深く見守る必要のある語のひとつなのである。比較的新しい辞書類のいくつかでは、すでに定着したと判断してその意味を掲載しているものも出始めている。
 辞書に掲載されたからといってどのような場でも使ってもよいということにはならないが、今後さらに広まるものと思われる。
 『新選国語辞典』第9版ではまだ「なので」は登録されていない。だが、次の改定版では接続詞の数が97語から1つ増える可能性は大きい。

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