第12回
梅雨・つゆ・ばいう・Bai-u

 「梅雨」と書いて「つゆ」とも「ばいう」とも読む。夏至(げし)前後の雨や曇りの日が多く現れる時期、つまりちょうど今頃のことである。
 この時期をなぜ「つゆ」と言うのか、実はあまりよくわかっていない。
・露の多い時節の意味
・「ツユ(露)」の意味
・物がしめりくさるところから「ツイユ(潰)」の意味
・梅が熟すところから「ツハル」の意味でそれが縮まった
・梅の熟する意で「ツヒユ(潰)」の意味
等々、諸説あるのだがこれといった決定打はない。水滴の意味の「露(つゆ)」と関連があるのかどうかもわからない。
 古くから「梅雨」と書かれてきたが、これはウメの実の熟するころに降る雨なのでこのように書かれてきたと言われている。また、カビ(黴)の生える時期でもあるので「黴雨(ばいう)」と書かれたこともあったらしい。
 「バイウ」は国際的にも立派に通用する語で、オックスフォード英語大辞典にもBai-uという見出し語がある。同辞書には、日本の初夏に降る雨といった意味の解説が簡略にほどこされている。ジメジメした日本の「梅雨」は、世界的にも知られているようだ。

キーワード:

さらに悩ましい国語辞典
―辞書編集者を惑わす日本語の不思議!―

日本最大の辞書『日本国語大辞典』の編集者はまだまだ悩んでいる! 辞書で定義しずらい言葉の悩み辞書にした「悩ましい国語辞典」の第2弾。
そんたく【忖度】[名]「忖」も「度」もはかるという意味。他人の心を推し量ることで「なにか配慮をする」の意味はない。/しんしゃく【斟酌】配慮までする意味なら「忖度」でなく、「斟酌」の方がしっくりする。この語「手加減する」と意味は変化し続け、今、忖度で起きている現象が斟酌でも起きている……

悩ましい国語辞典
―辞書編集者だけが知っていることばの深層―

「日本国語大辞典」の編集担当者を惑わすことばの不思議スリリングに揺れる日本語の深さ! 面白さ満載!
「うがった見方」は「疑ってかかるような見方」ではない/「悲喜こもごも」を合格発表の描写で使うのは誤り/「まじ! 」は、江戸時代の小説に使用例がある/スコップとシャベルはどちらが大きいか?西日本と東日本では違う/「谷」を「や」と呼ぶのは音読みでも訓読みでもない方言/「あばよ」の語源は幼児語の「アバアバ」

ジャパンナレッジとは

ジャパンナレッジは約1500冊以上(総額550万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題のインターネット辞書・事典サイト。
日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。

ジャパンナレッジ Personal についてもっと詳しく見る