第156回
数字の「0」はゼロかレイか?

 数字の「0」を、みなさんは何と読んでいるだろうか。「ゼロ」?「レイ」?
 もちろんその時々によって違うという方も大勢いらっしゃるであろう。だが、念のために確認しておくと、ゼロは英語のzero、レイは漢字「零」の漢字音である。当然のことながら改定常用漢字表でも、「零」の読みは「レイ」だけで「ゼロ」はない。
 なぜこのようなわかりきったことをあえて言うのかというと、国語辞典で「ゼロ」を引くと、「零」を漢字表記欄で示しているものがいくつか存在するからなのである。確かに「零」を「ゼロ」と読むことは慣用としてはあるにしても、厳密に言うなら「零」という漢字に「ゼロ」という読みはない。だが、辞書に何の注記も無しにそのように書かれると、「零」に「ゼロ」という読みがあると思ってしまう方も出てくるのではないかと心配になってくる。
 NHKなどもそのような配慮からか、数字の「0」「零」は原則として「レイ」と読むとしている(『ことばのハンドブック 第2版』)。ただし、「海抜0メートル地帯」「零戦(ただし、レイセンということもある)」など固有の読み方が決まっているものや、「まったくやる気ゼロだな」などと、何もないことを強調する場合はゼロを使うべきであると断っている。降水確率0%も「ゼロパーセント」ではなく「レイパーセント」である。
 なお、蛇足ではあるが、降水確率0%を雨がまったく降らないと思っている向きもあるらしい。だが、降水確率は10%刻みで、5%未満が0%、5%以上15%以下が10%となるのである。つまり、0%(レイパーセント)と言いながら雨の降る確率はまったくのゼロではないということになる。
 「ゼロ」「レイ」は、ちゃんとした使い分けが必要なようだ。

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