第18回
葉月

 陰暦8月は「葉月」と呼ばれていた。しかし、なぜそのように呼ばれていたのかは諸説あってよくわからない。代表的なものでも、「葉落月(はおちづき)」の略とする説(『奥義抄(おうぎしょう)』『和爾雅(わじが)』など)、「穂張月(ほはりづき)」で稲穂が張る月の意とする説(『語意考』『古事記伝』)、初雁の来る月であるところから「ハツキ(初来)」の意とする説(『滑稽雑談(こっけいぞうだん)』)などさまざまである。ただ、いずれもこの月の風物から説明しようとしている点だけは共通しているようだ。
 陰暦8月は初秋・仲秋・晩秋と分けた「三秋」の中の月(仲秋)にあたり、特に15日の夜の月は「仲秋の名月」として古くから賞されてきた。
 秋真っ盛りともいえるこれらの風物によってこの月には「月見月(つきみづき)」「雁来月(がんらいづき)」「木染月(こぞめづき)」などさまざまな異称がある。『日国』を検索すると「葉月」以外にも実に33語もの異称が見える。詳細に比較検討したわけではないのだが、他の月の異称は20数語程度なので、最も多いといえそうだ。詳しくお知りになりたい方は、ぜひ「○月の異称」という検索語で、『日国』を全文検索していただきたい。
 月の異名は、日本人の季節感と深く関わっていたことがわかると思う。

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