第185回
「きんきん」「さくさく」「ほっこり」「うるうる」

 先ごろ発表された、文化庁の平成24(2012)年度の「国語に関する世論調査」では、表題の新しい擬態語に関する調査結果が話題になった。今回はこれらのことばを国語辞典としてはどう扱っているのか述べてみたい。実はこの文化庁の調査項目にはもうひとつ「ざっくり」もあったのだが、これについては文化庁の調査が発表される前に書いたので(第175回「ざっくり」の新しい意味)省略する。
 4語まとめてとはいっても、意味はまったく異なり、また文化庁の調査結果でもわかるように認知度にもばらつきがあるので、念のために各語の使用例を示してみる。
 「きんきんに冷えたビール」
 「パソコンがさくさく動く」
 「気持ちがほっこりする」
 「うるうるした瞳」
 みなさんはどの語を使っているだろうか。調査ではこれらの語の中で「さくさく」が最も認知度が低く、約60%の人が聞いたことがないと答えている。逆に認知度が一番高いのは「うるうる」で、85%の人が聞いたことがあると答えている。
 これらの語を使ったことがあると答えている人は、「ほっこり」以外は30代がピークで、筆者が属する50代以上になると使用率は少しずつ下降線をたどっていく。
 辞書の扱いはどうかというと、新語を積極的に取り入れている『大辞泉』では、さすがにすべての意味が載っている。「きんきん」は「しっかり冷えているさま」、「さくさく」は「手際よく行うさま」、「ほっこり」は「いかにも暖かそうなさま」、「うるうる」は「涙があふれそうなさま」といった具合である。
 他の辞書も同様で、扱いにばらつきはあるが、ほとんどが俗語としながらもこれらの語の存在を認め始めている。
 筆者自身はどうかというと、これら4語は親しい人との会話では使うこともある。ただし辞書に載っているからと言って、自分より上の世代に使うのは要注意の語であるとは思っている。

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