第273回
「おはよう」

 10年以上も前のことだが、標準語から引ける方言辞典の編集を担当したことがある(佐藤亮一監修『標準語引き日本方言辞典』)。この辞典によって方言語彙の豊かさに惹(ひ)きつけられたのだが、中でも面白いと思ったものに「挨拶のことば」の方言がある。たとえば朝の挨拶語は、大方は「おはよう」を思い浮かべるかもしれないが、もう一つ別系統の言い方が存在するのである。それは、「目が覚めたか」とか「起きたか」といった
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悩ましい国語辞典
―辞書編集者だけが知っていることばの深層―

「日本国語大辞典」の編集担当者を惑わすことばの不思議スリリングに揺れる日本語の深さ! 面白さ満載!
「うがった見方」は「疑ってかかるような見方」ではない/「悲喜こもごも」を合格発表の描写で使うのは誤り/「まじ! 」は、江戸時代の小説に使用例がある/スコップとシャベルはどちらが大きいか?西日本と東日本では違う/「谷」を「や」と呼ぶのは音読みでも訓読みでもない方言/「あばよ」の語源は幼児語の「アバアバ」

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