第39回
「おおみそか」と「おおつごもり」

 今年も「大晦日」まであと数日となった。1年の最終日である「大晦日」は、「おおみそか」とも「おおつごもり」とも読まれる。現在では「おおみそか」のほうが一般的な言い方であろうが。
 「みそか」は月の初めから30番めの日、すなわち月の末日のことで、特に12月の末日を「おおみそか」というようになったのである。
 「つごもり」はツキコモリで、月の光がまったく見えなくなるころをいったらしい。陰暦ではそれは月の終わりごろにあたるので、月の下旬や月の末日の意味になり、やはり年の最後の日を「おおつごもり」と呼ぶようになったようである。
 井原西鶴晩年の『世間胸算用(せけんむねさんよう)』には「大晦日(おおつごもり)は一日千金」という副題が付けられていて、居留守やけんか仕掛け、亭主の入れ替わりなどさまざまな手を使って借金取りを追い返し、なんとか大晦日を切り抜けていこうとする町人たちの生きざまが描かれている。
 また西鶴には「大晦日」を詠んだ、「大三十日(おおみそか)定(さだめ)なき世の定哉」という句もある。
 今でこそ大晦日は、「紅白」を見たり、カウントダウンイベントに立ち会ったり、年越し蕎麦を食べたり、除夜の鐘をついたり聞いたりする日というイメージが強いが、江戸時代はまさに1年の総決算、勝負の日だったのである。

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