「寿(ことほ)ぐ」は、ことばで祝福する、喜びを言う、祝いのことばを述べる、といった意味のことばである。
 「言(こと)祝(ほ)く」から生まれた語で、現在でも「言祝ぐ」と書くこともある。「ほく(ほぐ)」は、よい結果が得られるように、祝福のことばを唱えるという意味である。
 この「ことほぐ」は、日本の言霊(ことだま)思想を反映した語であろうといわれている。言霊とは、ことばにあるとされていた霊力のことで、ことばには発せられたことばの内容どおりの状態を実現する力があるというものである。そういったこともあって古くから使われていた語で、『古事記』などにも用例が見られる。
 現代語としてもお祝い事で使われている。ただし、単なるお祝いというよりは、日本古来の精神的伝統にぴったり合ったお祝い事に使われることのほうが多いようである。
 従って「新年を寿ぐ」「古希を言祝ぐ」「婚礼を寿ぐ」「創立80周年を言祝ぐ」のように、新年、結婚、長寿、事業の継続や達成などには使えても、受験の合格、卒業、選挙の当選祝いといった、あまり伝統的とはいえないお祝い事には避けたほうがよいであろう。

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