第52回
沖縄で「やちむん」を買う

 各地のぐい呑みを集めている。先日も、仕事で沖縄に行った折に、那覇市内の「壺屋やちむん通り」で気に入ったものをいくつか求めた。
 「壺屋やちむん通り」というのは、沖縄の代表的な陶器である壺屋焼の窯元やお店が並ぶ一画である。壺屋焼は17世紀に琉球(りゅうきゅう)王朝によって各地に分散していた窯元を集結させたことに始まるといい、素朴な味わいをもった陶器が多い。
 ところで、この通りの名になっている「やちむん」とは何かというと、「焼き物」のことである。
 『お国ことばを知る 方言の地図帳』(佐藤亮一監修 2002年小学館)によると、陶磁器を表すことばの全国分布はセトモノ、カラツ(モノ)、ヤキモノの3つに大きく分けられる。
 関東人である筆者はセトモノになじみがあるのだが、このことばは北海道から近畿まで最も広い分布を見せている。中国・四国・九州にも点在しているのだが、面白いことに沖縄と富山・石川には分布が見られない。
 沖縄では何かというと、ヤキモノの変化したヤチムンが広く分布しているのである。ヤキモノは他に中国西部、九州中西部、岐阜、三重などにも分布が見られる。
 カラツ(モノ)はというと石川、富山の他、中国・四国や九州東部などに広く分布している。
 語の発生順序を考えると「土を焼いたもの」というそのまんまのヤキモノが最も古く、産地名が付けられたセトモノ、カラツ(モノ)が後ということになるのであろう。
 セトモノ、カラツ(モノ)の分布はその品物の流通範囲がわかって面白い。

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