ツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディアが一般化して以降、初の大会となったロンドン五輪に対する形容の一つ。「ソーシャリンピック」とも呼ばれる。不特定多数の率直な「つぶやき」とともに応援するスタイルは、人々をテレビ観戦の孤独から解放した。試合を終えたばかりの選手が、リアルタイムで対戦者を称えたり、ファンと交流したりするのも現代的である。また、スポンサー企業にとっても、効果的なプロモーションの場で、消費者の生の声に反応する動きも出てきている。
 一方、初の3D放送などさまざまな試みがあったにもかかわらず、利益確保に苦しむのがテレビメーカー。これまでのように、最新鋭のテレビを売るための起爆剤としては五輪は機能しなかった。メディアとしての勢いの差を象徴する五輪だったといえるだろう。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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