テレビのバラエティー番組で、アイドル好きのお笑いタレントを「いじる」ときに登場するこの言葉。AKB48、ももいろクローバーZなど、業界内人気が特に高いアイドルの場合、ファンを公言することでタレントにとって「仕事」に結びつくことがある。たとえば、番組のゲストに呼ばれる、イベントの司会を任される……など。すると、本当はそこそこのファンなのに、ディープな「オタク」のふりをして仕事が欲しいだけではないか、とコアな層から揶揄(やゆ)されるわけである。このような戦略的ともいえるオタクの姿を「ビジネスヲタ(オタ)」という。
 ちなみに「オタク」を「ヲタク」と表記するのは、2ちゃんねるのアイドル板などから発生して、若者向けの雑誌で使用される表現。一文字置換することで、オタクと称することへの気恥ずかしさといった、心の機微を表現しているといえるだろう。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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