いま女性に流行中の「ペプラム」とは、ウエスト部分から広がった短いフレアやフリルをさす。比較的シンプルな装いにアクセントを付け、お腹やヒップといった気になるラインもカバー(なんといっても、これが重要?)。それでいて女らしい品も出るので、世代を問わない人気もうなずける。細身のスカートなどと合わせるのが普通だが、最近では着こなしも多様化。スカートやパンツ自体にペプラムがあるものも増えている。

 雑誌などでは古代ギリシャの女性が着た「ペプロス」が語源と紹介されるが、これは漫画などで知らないうちに目にしていることも多い「長衣」なので、現在のスタイルとは遠いかもしれない。ペプラムのようなシルエットがバスク人(ヨーロッパのピレネー山脈を中心に独特の文化をはぐくむ民族)の衣装に見られることから、フランスでは「バスク」と呼ばれることもある。新しい流行というより実はリバイバル。1940~50年代に婦人服業界を席巻した。当時のファッション誌をひもとけば、上品そうなマダムのペプラムをそこかしこに確認できる。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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