日本のフィギュアスケート選手(25)。愛称・ミキティ。2007年、2011年の世界選手権で優勝。2010年バンクーバー五輪5位。2012年の夏以来、表舞台から姿を消していたが、今年6月のアイスショーに出場。7月1日放送の『報道ステーション』で「4月に赤ちゃんを出産しました」と告白して大きな騒ぎになった。

 彼女の子どもの父親を探せ! 週刊誌が一斉に動いた。結果、二人に絞られた。安藤のコーチを務めたロシア人のニコライ・モロゾフ氏(37)と元フィギュアスケーターの南里(なんり)康晴氏(27)である。

 モロゾフ氏は安藤が18歳の時に知り合い、独自の指導で彼女を世界的なスケーターに育て上げた人物。安藤が彼と恋愛関係にあったことはよく知られているが、昨年6月に決定的な破局を迎え、別れてしまっているという。

 一方の南里氏とは競技生活を通じた幼なじみで、今年5月には『FRIDAY』が二人は同棲していると報じている。さあ、どちらか? モロゾフ説と南里説に真っ二つ。『週刊文春』(7/11号)で安藤家をよく知る関係者がこう話す。

 「赤ちゃんの父親が南里くんであることは間違いないようです。子供の頃から試合でよく一緒になっていました。互いに有名になる前からの仲良しで、南里くんはミキちゃんの相談相手にもなってきた。母親の明美さんも公認の仲で、ミキちゃんが練習している新横浜のスケート場近くのマンションで一緒に生活しているはずです。ミキちゃんは常に恋愛をしていたいタイプですが、ニコライとの背伸びした恋愛で疲れた彼女にとって、南里くんの存在は何よりも安らぎになったのでしょう」

 『女性セブン』(7/18号)も南里説。当初、母親は“格下”の南里との結婚を許さなかったという。それでも安藤は引き下がらなかった。知人がこう話す。

 「どうしても譲らない美姫ちゃんに、母親は条件を3つ出したそうです。ひとつは南里さんが婿養子になること。スケーターとしての“安藤美姫”という名前を残したかったからです。ふたつめが南里さんが生活の基盤を整えること。今はアイスショーなどに出演してますが、その収入は微々たるもの。安藤さんほどの一流選手であれば別ですが、南里さんがコメンテーターや指導者として生計を立てるには難しい世界です。だったら他の仕事でもいいから、美姫ちゃんと子供の安定した生活が見込める収入が得られる定職に就いてほしいということでした」

 現在、南里氏が都内の居酒屋でアルバイトをしているのは、安藤の母親の意向をくんでのことだろうと推測している。これに真っ向から異を唱えたのが『週刊新潮』(7/11号)。モロゾフ氏の周辺関係者がこう明かしている。

 「実は、去年の8月ごろ、普段は寡黙なモロゾフが珍しく取り乱し、“ミキに子供ができたんだ。中絶してくれと頼んだのに、全然聞いてくれないんだよ”と困り果てていると聞きました。彼にはすでに3度の離婚歴がある。そのため、弁護士からは“君は安藤と結婚してもまた離婚する。慰謝料が大変なことになるので、もう結婚はするな”と止められているようでした」

 そこに『FRIDAY』(7/19号)が決定的とも思える南里氏のインタビューに成功したのである。

 「──南里さん、お父さんになられたんですよね?
 『いや、僕は……。安藤選手について話すことはないので』
 ──お付き合いされていると思いますが、お父さんは南里さんですか?
 『いや、違います』
 (略)
 ──父親が誰か知ってはいる、と?
 『……はい』
 ──スケート関係の方?
 『だと思いますよ』
 ──では、モロゾフ氏ですか?
 『いやぁ、そこまでは言えないですね』」

 ミキティには大きなお世話だろうが、私もモロゾフ氏父親説が有力だと思う。南里氏とは結婚するそうだから、隠す必要がない。さらなる根拠は子どもの名前。ロシアの国花「ひまわり」だそうである。そういえば、マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンが主演した同名の映画があった。あれは戦争で引き裂かれた夫婦の悲しい物語だったが、彼女には幸せになってもらいたいものである。

 “未婚の母”はソチ五輪を目指すという。陰ながら応援したい。


 

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   


元木昌彦(もとき・まさひこ)
金曜日「読んだ気になる!週刊誌」担当。1945年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社に入社。『FRIDAY』『週刊現代』の編集長をつとめる。「サイゾー」「J-CASTニュース」「週刊金曜日」で連載記事を執筆、また上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで「編集学」の講師もつとめている。2013年6月、「eBook Japan」で元木昌彦責任編集『e-ノンフィクション文庫』を創刊。著書に『週刊誌は死なず』(朝日新書)など。
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