映画における「リブート」とは、要するに「仕切り直し」のことだ。もともとは、パソコンが動かなくなったときの「再起動」から来ている。シリーズ作品が続くと、マンネリ化で収益が落ちたり、監督に継続の意思がなくなることはままある。そこで、これまでの話の続きを描くのではなく、キャストなど一新して次のステージに移るというわけだ。「前の監督・役者の作品のほうがよかった」という批評はついてまわるが、シリーズ自体には「固定客」がついているので、それなりに興業面で不安がないとされている。

 最近では、『スパイダーマン』(2002年)→『アメイジング・スパイダーマン』(2012年)などがリブートの代表例。『スーパーマンII』(1980年)の続きという設定で『スーパーマン リターンズ』(2006年)が製作されたが、これはリブートに当たらない。スーパーマンの「誕生」から始める『マン・オブ・スティール』(2013年)のように、「シリーズの第一作として仕切り直す」のが基本である。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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