「2013年8月21日、未来の希望へ、ロボットの第一歩です」。……国際宇宙ステーションを補給機「こうのとり」で訪れた宇宙飛行士が放った、最初のひとことである。飛行士の名前は「KIROBO(キロボ)」。身長約34㎝、体重1㎏の宇宙用ヒト型コミュニケーションロボットだ。東大先端研(東京大学先端科学技術研究センター)、トヨタ自動車などが参加した「KIBO ROBOT PROJECT」で、バックアップの地上用ロボット「MIRATA(ミラタ)」とともに製作された。

 孤独な宇宙空間で、ロボットはパートナーたりえるのか。「クール」なアニメーションが世界中で人気の日本は、どこの国よりも多くロボットと人が友だちになる過程を描いてきた。今回の実地データは、KIROBOが言うところの「未来の希望」を人類にもたらすかもしれない。11~12月には、来年3月に日本人最初の国際宇宙ステーション船長となる若田光一(わかた・こういち)氏と、日本実験棟「きぼう」にて対話実験を実施する予定だ。

 ちなみにKIROBOの開発は、我が国を代表するロボットクリエイターの高橋智隆(たかはし・ともたか)氏。氏のデザインは、日本最初のアニメとなった「鉄腕アトム」を彷彿とさせる、愛らしい曲線が特徴である。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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