肉食率や喫煙率などにつづく、若い世代の男女逆転現象のひとつ。

 一昔前だと、混ぜモノ系、いわゆる“カクテル”は、どちらかと言えば女子用のアルコール飲料とされていたが、最近は、たとえば宅飲み(=自宅での飲み会のこと)での最初の乾杯は、女子が缶ビールで男子は缶チューハイというケースが、わりと多かったりする。

 合コンあたりでも同様で、女子がワインや日本酒や焼酎といったストレートをガンガン注文しまくっているのを横目に、男子は緑茶ハイやハイボールやカシスウーロンやよくわからない複雑なカクテルをチビチビやっている光景も、けっこう見かける。これが「女子を早めに酔わせて、どーにかしてやろう」といった戦略的な裏があるならまだしも、観察すれば観察するほど、そのような奸計(かんけい)の匂いはまったく感じられず、単に「好きだから飲んでるだけ」であるフシが強いので、筆者としては情けないかぎりである。

 ちなみに筆者は、ビールもしくはシャンパンを延々と飲み続ける女子こそが一番酒に強く、お持ち帰りが困難なタイプだと考える。とくに後者の場合は、高額な出費だけがどんどんかさんでいって結末はトンヅラ、なんて最悪のパターンを迎えることも珍しくない。

   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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