過労死防止対策を「国の責務」とする「過労死等防止対策推進法案」が今国会で成立するという。若者を酷使して使い捨てる「ブラック企業」の問題が指摘されるなか、自民党もようやく重い腰を上げた形だ。

 法案の素案は4月始めに自民党の部会で了承された。それによると、過労死防止対策を「国の責務」と定めたほか、国や自治体に対し、過労死について(1)実態の調査研究(2)啓発活動(3)相談窓口の整備(4)過労死問題に取り組む民間団体支援などを求めた。同様の法案は、野党6党も提出しており、成立に向け、与野党の調整が行なわれる。

 厚生労働省の資料によると、脳・心臓疾患で死亡し、労災認定された人は2012年度で123人いた。

 法律の趣旨を踏まえ、企業には「過労死対策」が企業活動の大きな柱であることを自覚すべきだし、行政は働く人からの「助けてくれ!」の声をしっかり受け止め、対策を講じてほしい。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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