「ロールキャベツ男子」という言葉がある。見た目は「草食系」だが、中身は「肉食系」。ちょっと気を許すとグイグイ来る。ある意味で自分を隠しているのだが、女性にとって必ずしもマイナスイメージがある言葉ではない。どうも「ギャップ」がいいらしいのだ。一応、協調性があるから見た目が「草食系」になるわけで、面倒なタイプでないところもポイントが高いだろう。

 これと成り立ちが似ているのが「ソーセージパン男子」なる言葉だ。ファッション雑誌『CHOKi CHOKi(チョキチョキ)』(内外出版社)2014年5月号で紹介されてから、テレビなどでも話題に上るようになった。中は肉食系、というところは同じだが、「パン」のイメージが示すのは「筋肉質」あるいは「ぽっちゃり型」。格闘家のようなガッチリした体か、軟らかそうな癒やし系の体(この二つは、実際にはかなりタイプが違う気がするのだが?)を指している。「草食系」まではいかないが、癒やしの雰囲気があって、友だちになりやすそうなタイプ。それでいて、ときに「肉食」のスルドイ顔も見せ、頼りがいがある。「ロールキャベツ男子」が「男のコ」に用いるのに対し、「ソーセージパン男子」は「雰囲気のやわらかい兄貴分」に対して使う感じだ。ちなみに芸能界でよく引き合いに出されるのは、TOKIOの山口達也である。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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