トラックの運転免許の取得条件が変わる。

 トラックの運転免許制度の在り方を話し合っていた警察庁の有識者検討会が7月、総重量が「3.5トン以上7.5トン未満」の、事実上小型トラックを対象とした新免許の創設を求める報告書をまとめたからだ。報告書を受け警察庁は道路交通法改正案を2015年の通常国会へ提出する方向だ。

 現在、運転免許は、車体と荷物の総重量別に(1)5トン未満の普通免許(2)5トン以上11トン未満の中型免許(3)11トン以上の大型免許の3つに区分されている。警察庁はこれを4区分に再編し、(1)3.5トン未満(2)3.5トン以上7.5トン未満(3)7.5トン以上11トン未満(4)11トン以上とする方向だ。

 現在の中型免許には「20歳以上、普通免許取得から2年以上」という取得条件があるが、新しく創設される3.5トン以上7.5トン未満の区分の免許は、18歳から取得可能となり、普通免許を取ってからの経験年数も問われない。

 見直しの背景にあるのは、宅配便やコンビニの商品配送で使われている小型トラックの 総重量が重くなったことがある。保冷設備や昇降装置などを装備することで、5トンを超える小型トラックが増加した。

 5トン以上となると中型免許が必要になるし、中型免許を取るには前述のように、「20歳以上、普通免許取得から2年以上」という条件も重なる。高卒者が直ちにそうしたトラックドライバーになれないのだ。

 トラック業界ではドライバー不足、ドライバーの高齢化が問題となって久しい。取得条件の緩和は高卒者の就職口が増えることでも歓迎したい。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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