言うまでもなく、テレビ番組で取り上げられた商品が、頻繁にツイートされて知名度を高めることは多い。ただ、今回紹介するのはローカル局の番組発からネット上の話題になった珍しい例。静岡第一テレビの番組『まるごとワイド』には、「静岡県民だけの常識」を紹介する「シズオカのオキテ!」というコーナーがあるが、そこで「『横断バッグ』は全国的な存在ではない」というネタが扱われた。これに静岡県出身のネットユーザーが反応し、つぶやきの連鎖が続いたのである。

 くだんの「横断バッグ」とは何か? 静岡の小学生にはなじみ深いもので、「横断中」の標識がプリントされている黄色いバッグだ。暗い雨の日でもよく目立ち、横断歩道など車道を含む通学路では重宝する。メーカーのミヤハラのホームページによれば、「交通戦争」という言葉が叫ばれた50年以上前、初代社長による「みんなが黄色い小旗を持って通学できるように」という発想から小旗の代わりに生み出されたもの。頑丈で子どもにとっての実用性も高い。じつは、静岡以外でも使用されている学校があるという。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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