スマホで自分を撮影すること、あるいはそれをツイッターやSNSにアップすることを、日本語で「自撮り」、海外では「セルフィー(selfie)」と呼んでいる。我が国でも使い捨てカメラの時代から若者を中心とする自撮りの文化はあったが、いつの間にかもっと世界的な流行が起こっていた。SNSがライフスタイルに浸透した影響であろう。特にインドネシアなどの東南アジアでは、自撮りを容易にする「セルフィー棒」が空前のヒットとなっており、日本にも波及しそうな勢いだ。

 セルフィーのブーム化を反映して、メーカー側もスマホのカメラ機能をどんどん向上させている。画素数のアップだけではない。女性にとってデジカメ選びのポイントとなる「加工」、肌を美白に見せたり、小顔に修正する機能が、スマホでもマストになりつつあるのだ。今後はスマホの写真も、アイドルのグラビアばりに「実像」から遠いものになっていきそうだ。

 ちなみに、複数で自撮りする行為は「グルーフィー」と呼ばれる。政治家が支持者たちと、スターがファンたちと撮ったグルーフィーを公開する例は海外において珍しくない。セレブリティが身近に感じられ、「クール」と受け取られるようだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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