トヨタ自動車が燃料電池車(FCV)を12月15日から発売する。車名は「MIRAI(ミライ)」。文字通り、「未来のクルマ」という意味なのだろう。ホンダも2015年中に売り出しを始める。FCVは燃料の水素と空気中の酸素を反応させて電気を起こし、モーターを回して走る。その特徴は排気ガスを出さないことだ。発生するのは化学反応による水だけだ。トヨタのミライは約720万円で、国からの補助金を給付されると約520万円で購入できる。東京都の場合だとさらに100万円の補助がある。

 価格に加えて普及のカギを握るのが、街中でFCVに燃料供給する「水素ステーション」の整備だ。経産省は水素ステーションを増やすため2015年度予算の概算要求に110億円を盛り込んだ。政府は15年中に全国で100か所程度の水素ステーションの稼働を目指す。また東京都は2025年までに都内に80か所の水素ステーションを設置するとの目標を発表した。20年の東京五輪では燃料電池バス数十台を走らせるという。

 問題はその建設コストだ。1か所作るのに4~5億円かかるという。国などが補助する制度もあるが、それでもガソリンスタンドの7、8千万~1億円に比べると高い。コストダウンに向けた取り組みが必要だ。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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