築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲新市場(同江東区)が2016年11月上旬に開場することが決まった。東京都の舛添(ますぞえ)要一知事が明らかにした。

 新市場の敷地面積は約40.7ヘクタール。いまの築地市場の1.8倍に相当し、水産仲卸売場棟、水産卸売場棟、青果棟、管理施設棟などが入る。市場はすべて屋内におかれ温度管理など衛生面の管理を徹底するという。取扱量は水産物が1日2300トン、青果物が同1300トンを見込む。

 現在の築地は東京観光の名所になっているが、豊洲では入浴施設や宿泊施設、飲食店などを備えた複合施設も整備し、国内外から年間約420万人の観光客を呼び込む算段だ。複合施設名の仮称は文字通り「千客万来施設」。新鮮な市場の食材を使った料理を楽しめる飲食ゾーンのほか、東京湾を眺望できる大露天風呂が売りという。

 新市場は当初、2012年度中の開場を目指していた。ところが現場(旧東京ガスの工場跡地)の土壌から有害化学物質が検出され、東京都が約760億円を投じて土壌改良工事を行なったため、開場が遅れた。

 市場移転後の築地は中央区が再開発・整備する。場外市場で営業する一部小売店、専門店、飲食店などが残る。都心に近い利便性を生かし、小口の買い出し人向けだという。

 2020年東京五輪に向け東京の再開発が進むが、豊洲新市場はその象徴の一つだ。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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