「メイソンジャー」という、特殊な機密性を持ったフタのあるガラス瓶が、ニューヨークでのブレイクを経て日本にも浸透してきている。ガラスといっても分厚く頑丈なので、使い勝手がいい。小洒落たカフェが好きならば、おそらく一度は目にしたことがあるはず。流行り物とは言っても、 老舗メーカー・Ball社の定番商品で、その良さが「見直された」といった感じのブームである。なんとなくレトロな感覚があるのは、知らず知らずのうちに映画などで目にしているからだろう。

 アイディア次第で何にでも使えるメイソンジャーだが、特に「ジャーサラダ」、あるいは「ボトルサラダ」と呼ばれるサラダで注目を浴びている。瓶にサラダ?と思うかもしれないが、野菜が層をなしている様子は見栄えがよく、女性的センスからすれば「カワイイ」のである。また、単純に作り置きができるのもポイントが高い。これまでサラダという料理は「保存する」という発想に至らなかったけれども、栄養面などを考えて凝ったものにすれば、それなりに時間はかかる。その点、忙しい現代人にとってジャーサラダは、手軽に作れるうえ、野菜不足をフォローする力強い食事なのである。

 その作り方は、まずは瓶の底にドレッシングを入れる。そこに直接浸かる野菜は、マリネ状になるので固い野菜が基本だ。あとはたんだんと軽い野菜になるように詰めていき、葉野菜は当然上のほうに入れる。いざ食べるときには、振るだけでドレッシングが全体的に混ざるので機能的だ。このあたりも瓶を用いるメリットである。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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