「近ごろ若者の○○離れが騒がれており……」ではじめると、コラムやニュース原稿がとても書きやすくなる、マスコミが好んで使う魔法の常套句。

 ちなみに昨今よく“騒がれて”いるものをメジャーな順からざっと羅列していけば、

 「若者のタバコ離れ」「若者のクルマ離れ」「若者のテレビ離れ・雑誌離れ・新聞離れ」「若者の活字離れ」「若者のビール離れ」「若者のお酒離れ」「若者のカラオケ離れ」「若者の野球離れ」「若者のクラブ(踊るほうの)離れ」「若者のセックス離れ」「若者の百貨店離れ」「若者の日焼け離れ」「若者の腕時計離れ」「若者の紅茶離れ」「若者のガム離れ」「若者の喫茶店離れ(※カフェからは離れていない)」「若者のカルビ離れ(霜降り肉離れ)」「若者のパジャマ離れ」……

と、まさに百花繚乱といった離れっぷりだが、この手の「○○離れ」は、いつの時代でもこうやって若者を対象として騒がれるもので、べつだん2010年代特有の現象ではないと思われる……が、今年53歳の筆者がまだ10代20代前半のとき騒がれていたのは「メガネ離れ」(ちょうどコンタクトが主流となりつつあった世代ゆえに)くらいで、それ以外はまったく思い出せなかったりもする。やはり、昔よりも若者たちはいろんなものから離れはじめているのだろうか?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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