甘味に対して貪欲な国民性でもあるのだろうか。ここ数年、マスコミは「新顔スイーツ」の紹介を好む。クロワッサンとドーナッツのハイブリッド、「クロナッツ」のヒットは記憶に新しいところだ。その生みの親たるニューヨークの「ドミニク・アンセル・ベーカリー」が、2015年から表参道に進出するとあって話題になっている。

 こちらの名店はクロナッツのみならず、クッキー生地のカップにミルクを注いだ「クッキーショット」など、複数の人気メニューを持つ。その一つが「フローズンスモアーズ」、日本で「フローズンスモア」と呼ばれるものだ。「Frozen S'more」と綴り、「フローズン」はもちろん「凍った」という意味だが、不思議な語感の「スモア」は「some more」、「もっと(食べたくなる)」といった意味から来ている。チョコレートとバニラジェラートを、マシュマロに包んで冷たくしたものに、バーナーで焼き色をつける。外は香ばしく、中はとろとろという二つの食感が楽しい。

 株式会社エル・ディー・アンド・ケイが展開している「宇田川カフェ」など、いち早く導入している店も多い。マスコミの前評判通りにブレイクを果たせるや否や、とにかく試してみたい一品だ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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