2015年3月14日に北陸新幹線(長野~金沢間)が開業、富山県と石川県の情報をマスコミがこぞって取り上げる状況になっている。特に旅番組全盛のテレビ界は、北陸のご当地グルメネタがお気に入りのご様子。おかげで、この数か月に一気に知名度を増したと思われるグルメが多い。

 もとより海の幸には恵まれた地域である。富山県はホタルイカ・シロエビ・ブリが、石川県は春のサヨリ・カレイ、夏のイカ、秋の甘エビ、冬のブリ・ズワイガニ・コウバコガニが「県の魚」(魚でないものも、こう言うのである)になっている。特に石川産のズワイガニは、「加賀」と「能登」の頭文字をとり「加能ガニ」とブランド化し、話題になった。このような魚介類だけでなく、伝統的な「加賀野菜(金沢産のブランド野菜)」も改めて脚光を浴びている。

 いわゆる「B級グルメ」も負けてはいない。ラーメンマニアにはすでに人気の「富山ブラック」は、真っ黒い醤油スープが特徴。富山県には「入善(にゅうぜん)ブラウンラーメン」「おやべホワイトラーメン」「高岡グリーンラーメン」と、なぜか「カラーものラーメン」が多い。これらもブレイクすることができるか。また、ケチャップ味のバターライスに薄焼き卵と(白身魚やエビの)フライをのせたオムレツ風料理「ハントンライス」は、金沢市の名物。その注目度たるや、先に人気となった「金沢カレー」に追いつきそうな勢いである。

 この機会をまたとないチャンスとして、首都圏のイベントなどでも北陸グルメの猛プッシュが続いている。今年度のヒット商品として、「北陸グルメ」の名が挙がりそうなところだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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