国土交通省は電動2輪車・セグウェイなど「搭乗型移動支援ロボット」について、全国の公道での実証実験に乗り出す。構造改革特区に指定した茨城県つくば市での3年間(2011~14年)にわたる実験で、弊害がなかったことから全国展開できることになった。早ければ2015年7月から行なわれる。

 セグウェイは米国製で2001年に登場した。日本では、2005年に小泉純一郎首相(当時)がブッシュ米大統領(同)から贈られた車両を運転して首相公邸から官邸に出勤したことで知られる。最近はゴルフ場や観光地で見かけるようになったが、公道での利用は禁止されている。

 立ったままで重心移動によって制御する仕組みで、棒状のハンドルはあるが、アクセルやブレーキはない。左右のタイヤは独立し、その場で回転が可能だ。セグウェイについて小泉氏は、「すいすいと操作もしやすかった。ちょっと練習したら割合、簡単だった」と感想を述べている。

 製造元のホームページによると代表的なモデルは92万5000円(税抜き)。最高速度は時速20キロ。1回の充電(10~20円)で約40キロの走行が可能という。

 国土交通省が「搭乗型移動支援ロボット」としているのは、高齢者や障がい者の移動手段として普及することに狙いがあるからだ。

 あくまで歩行支援ということで、走る場所は歩道を想定しているという。高齢で車を運転できなくなったお年寄りが、ちょっと先のスーパーに買い物に行くのに利用できたらいい。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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