「目玉焼きがふっくら焼ける」
 「ステーキやハンバーグがジューシーで驚くほど美味しい」
 「見た目がおしゃれで、そのまま食卓に出せる」

 今、「スキレット」という型に流し込んで固めた鋳鉄の鍋が話題となっている。

 同じ鋳鉄の調理道具といえば、アウトドアで使われることが多いダッチ・オーブンを思い浮かべるが、スキレットはそれよりも底が浅く、フライパンのような形状。通常のフライパンに比べて鍋底が厚く、高い蓄熱性があるので、ステーキやハンバーグなどの肉料理が簡単に美味しく作れると評判だ。

 その他、ピザやパン、パエリヤなどを作るのにも適している。スキレット・カバーと呼ばれる蓋を使えば、圧力がかかって蒸し料理や煮込み料理にも使えるという万能フライパンだ。

 なかでも、最近、人気があるのが15~16cmのミニ・スキレット。ひとり分の目玉焼き、ハンバーグ、餃子などを焼くのにちょうどよい大きさで、そのまま食卓に出せるのが人気の理由。火をつけてから熱するまでに時間はかかるが、一度温まると冷めにくいので、食卓で熱々の料理が楽しめる。

 家具・インテリア専門店で500円程度のミニ・スキレットを販売したところ、大人気となり入荷待ち状態となっている。そのほか、アウトドアショップ、通販サイト、100円均一ショップでも扱っており、価格は数百円から数千円まで。

 ただし、鋳物なので重く扱いづらいという面もある。熱したあとで、急に水につけたり、落としたりすると割れる可能性もあり、鋳物がもつ独特の錆にも要注意だ。

 長く使うためには、お手入れも慎重に。洗剤を使うと、鉄の表面になじんだ錆を防止する油膜がはがれてしまうので、汚れはたわしでこすって落とすようにしたい。洗い終わったら水分を拭き取って火にかけて、オリーブ油やサラダ油などの食用油を塗っておくと長持ちする。

 こうした手入れをして、大切に使えば、スキレットは、長く使える調理器具として食卓に彩りを添えるものとして活躍してくれそうだ。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   


早川幸子(はやかわ・ゆきこ)
水曜日「ニッポン生活ジャーナル」担当。フリーライター。千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、1999年に独立。新聞や女性週刊誌、マネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。2008年から「日本の医療を守る市民の会」を協同主宰。著書に『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)など。
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