昨今、芸能に関するトピックは元気がなくなってきている韓国だが、まだまだ流行の発信源だ。2015年は、「美容大国」と呼ばれる韓国発の二つのメイクが話題になった。

 一つは「オルチャンメイク」。「オルチャン」は韓国語で「かわいい顔」という意味だ。そのポイントはいくつかあるが、目尻のはねた太めのアイラインと、涙袋を目立たせるのが最大の特徴といえる。西洋的な「塗りたくる」メイクとは違うので、肌のキメの細かい日本人女性にも受容されたようだ。ただし、韓国では「オルチャン」はすでに古い流行語で、若者の間ではあまり使われなくなっているとか。

 もう一つは「ドファサルメイク」。目元に赤系統の色を入れるところがポイントで、日本で「うさぎメイク」と紹介されるものと基本的には同じといってよいだろう。オルチャンメイクよりもミステリアスな色っぽさがある。ちなみに、「ドファサル」は韓国語で、もともと「たくさんの男性と関係を持つ女性」といった意味を持つようだが、現在は「魅力がある女性」の意味で使われるようである。

 ちなみに、ここ数年はメイクによる「変身前・変身後」の動画が人気だが、それは韓国も同じ。もはや一種のアートと言って差し支えあるまい。西洋人より平たい顔が揶揄される我々アジア人だが、だからこそメイクで極端に化けるテクニックが向上しているようだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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