営業許可を受けず、マイカー(自家用車)を使ってタクシー営業している車のことを「自家用車タクシー」と呼ぶ。通称「白タク」とも言われる。「白」というのは白地のナンバープレートを意味しているらしい。ちなみに営業許可を受けた事業用自動車は緑地に白文字のナンバープレートが付いている。

 無許可のタクシー営業は、道路運送法により原則として禁じられている。

 ところが、である。2015年10月20日、政府の国家戦略特区諮問会議で安倍晋三総理(同会議議長)がこの「自家用車タクシー」について解禁に向けた検討を指示したのだ。戦略特区での限定解禁なのか、全国的に解禁するかどうか、2015年度中に結論を出す。

 安倍総理が白タク解禁を指示した背景にあるのは、公共交通機関が少ない過疎地ではタクシーが不足気味で、観光客や高齢者が不便をかこっている実情がある。また海外に比べ国内のタクシー料金が高いことも理由の一つだろう。外国人旅行客は日本のタクシー料金の高さに驚くことが少なくない。

 白タク解禁に向けた動きに対し、タクシー業界が反発するのはもちろんだ。同業界を所管する国土交通省も「安全性の確認や利用者の保護という課題がある」などと慎重な立場をとる。

 ただ、規制緩和で競争原理が働き、タクシー料金が安くなり、利用者からすれば利便性が増すのは間違いない。

 安倍政権は2016年の通常国会で関連法案の提出を目指す方向だ。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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