韓国において、11月11日はたいせつな相手にお菓子を贈る「ペペロデー」だ。バレンタインデーなどと並ぶ位置づけである。「ペペロ」とは、韓国ロッテが販売している商品で、江崎グリコのポッキーと酷似している。ちなみに、その語源は韓国語で「やせっぽち」を意味する「ペペハダ」から来ているとか。

 ペペロデーは、1990年代に釜山の女子学生が友人同士でペペロを贈りあったことが起源とされている。「ペペロのように」背の高くスマートな女性になりたい、という願いを込めたものらしい。11月11日という日付は、数字の「1」を棒の形状に見立てたものだ。じつは日本でも、この日は「ポッキー&プリッツの日」なのだが、知名度は高いといえないだろう。だが韓国のペペロデーは人気イベントであり、現在ではペペロ以外のお菓子も含めた、一大商戦が繰り広げられている。

 これまでペペロは、わが国では「韓国におけるコピー商品の代表例」として紹介されることが多かった(もちろんメーカー側では否定している)。商品としての道義的な問題はさておき、最近はペペロデーの存在のおかげというべきか、比較的ポジティブに紹介される機会も増えているようだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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