今年の旧正月は2月8日。毎年、この頃になると、太陽の日差しは力強さを増してくる。だが、気温は低く、まだまだ寒い日が続く。

 この時期、ドライバーが運転前に注意したいのが、猫などの小動物の巻き込み事故。

 寒さを凌ぐために車のエンジンルームやタイヤの隙間に入ってきた猫に気づかず、エンジンをかけてしまい、猫が死んだり、車が破損したりする事故が相次いでいるからだ。

 「いったい、どこから猫がエンジンルームに入るのか」と思うが、車の底面は、複数の隙間があり、猫なら簡単に入り込めてしまう。車を止めても、エンジンを切った直後は暖かいため、冬の寒い時期には、家のない野良猫などが入り込んでくることがあるのだ。

 実際のトラブル件数は確認されていないが、ロードサービスをしている日本自動車連盟(JAF)には、冬になると「車のなかで、猫の鳴き声がする」という出動要請が入ることが多くなるという。

 こうした被害を防ぐために、日産自動車が始めたのが「#猫バンバン」プロジェクトだ。

 2015年11月、タイヤと車体の隙間に入った猫の写真を添付して、《乗車前の「ちょっとした思いやり」で救える命があります。エンジンルームやボンネットなど鳴き声や気配がないか#猫バンバンをして確認しましょう》と、ツイッターで発信した。「小さな命を守りたい」という思いを込めた呼びかけには共感が集まり、「#猫バンバン」はSNS上で瞬く間に広まった。

 このプロジェクトは、運転前には車のボンネットをバンバンと叩いて、猫がいないかどうかを確認するアクション。車の隙間に入り込んでいる猫に、「車を動かすよ」という合図を送って、猫が逃げるように仕向けようとするものだ。実際、ボンネットを叩くと、猫が自ら逃げ出したり、動物の気配を感じて助け出したりできるので、「猫バンバン」の効果は高い。

 この活動は、競合他社にも共感を呼び、マツダ、富士重工業、フィアットなどの自動車メーカーの他、タイヤメーカーのミシュランなども、自社の公式ツイッターで、日産自動車の「#猫バンバン」プロジェクトを紹介している。

 それだけ、冬は猫の巻き込み事故があるということなのだろう。

 今しばらく寒い日が続きそうだ。ドライバーは、乗車前に「猫バンバン」を習慣にしたいものだ。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   


早川幸子(はやかわ・ゆきこ)
水曜日「ニッポン生活ジャーナル」担当。フリーライター。千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、1999年に独立。新聞や女性週刊誌、マネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。2008年から「日本の医療を守る市民の会」を協同主宰。著書に『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)など。
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