元総理大臣・竹下登を祖父に持つシンガーソングライター兼ミュージシャン兼タレント兼俳優であるDAIGOが好んで使用する、アルファベット略語のこと。

 「KSK=結婚してください」「SKSG=試行錯誤」「MKS=負ける気がしない」「JTEU=自分で釣ったエビうまい」「IH=アイムハッピー(by北川景子)」……と、もはや「なんでもあり」の無法状態で、たとえば筆者もLINEで、いきなり友人から「AYJK9S」なる文面が届き、「なにそれ?」と訊ねたところ、「明日の野球、神宮球場のケヤキグラウンドに9時集合ね」と追加解説されるような“無駄なやり取り”に思わずイラッとしてしまう機会が一時期激増。エスカレートのすえ、本人の通訳なしでは解読が困難なややこしい言語となりつつあった。

 が、年明け早々からベッキー・SMAP・清原・宮崎議員……と、国民の好奇心を掻きむしってやまない大スクープが立て続けに起こり、一気にブームは沈静化。「センテンススプリング(=SS)」、「私のど真ん中はソナタ(=WDS)」……ほか諸々、次々と生まれる新しい流行語の波にのまれ、「DAI語? ああ、そーいうのもあったよね…(=DASA)」と、1か月も経たないうちに「半死語(=HSG)」化しつつある。

 DAIGO自体は、一度取材で会ったことがあるけど、さすがに育ちが良いだけあってか「誰にでも気さくなナイスガイ(=DKNG)」だったが、単純にパソコンやスマホでローマ字入力するのが面倒臭い筆者としては、今回このDAI語の“一般化”が寸前で食い止められたことに「内心ホッとしている(=NHS)」。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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