「世界ゆるスポーツ協会」なる団体がある。公式ホームページに掲載されているキャッチは、「スポーツ弱者を、世界からなくす」。世の中にはスポーツが苦手な人も、からだが不自由な人も、高齢で激しい運動が難しい人もいる。しかし「ゆるスポーツ」ならば、誰もが気軽に楽しめるというふれこみだ。

 ユニークだが、案外とスポーツたりえているものが多い。専用のイモムシウェアに下半身を入れ、ほふく前進でプレーする「イモムシラグビー」、手がツルツルになるハンドソープをつけてプレーする「ハンドソープボール」、乱暴に扱うと泣き出すボールを用いる「ベビーバスケ」……。共通しているのは、参加者全員に等しく「ハンデ」を課すという発想だ。これによって、運動能力による劣等感の介在しない競技が実現することになる。

 協会代表・澤田智洋氏の本職は広告代理店のコピーライターで、世間に対して「仕掛ける」ことに巧みだ。どのゆるスポーツも、「動画よりも静止画で映える」というほど見た目のインパクトを重要視している。笑ってしまうほどのネーミングも秀逸だ。実際、ゆるスポーツの紹介には話題としてのバリューが見出されているようで、マスコミの取材が殺到している。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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