思春期を迎えても、さらには20代になっても父親が大好きで大好きでたまらないという女子のこと。

 お金もクルマもあって、社会経験とバブル時代に培ってきた遊びの知識をフルに活用し、娘を目一杯可愛がるイマドキの小綺麗なお父さんに、若い世代の男子たちは太刀打ちできず、最近「月イチで(血の繋がった)パパとのデート」が当たり前となっている──そんな女子が急増中であるらしい。

 また、お父さんが多忙だったり、セコかったり、臭かったり、外見が冴えなかったりする場合は「ママッ子女子」となるケースも多いという。

 目に入れても痛くないほど娘を溺愛するお父さんや、反抗期による家庭内のギクシャク感を恐れるお母さんにとって、これ以上に親孝行な話はないのだが、「彼氏や男友だちよりパパ(あるいはママ)と一緒にいるほうが楽しい」という親離れできない状況がエスカレートし過ぎると、いつの間にか適齢期を逃してしまう危険性も指摘されている。

 ちなみに「パパッ子女子」の反意語(もしくは同義語?)としては「ママッ子男子」が挙げられ、この“組み合わせ”も銀座の三越前あたりではよく見かけることができるが、唯一実在をほぼ確認できないのが「パパッ子男子」だったりする。やはり息子にとって、父親は永遠にライバルでもある……ということか?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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