いま、100円ショップの「セリア」などで、デコパージュ液がヒットしているという。デコパージュとは、印刷された絵を切り抜いて、いろいろなものに貼り付ける手芸の一種。デコレーションする対象は、プラスチック、金属、はたまた石鹸など、素材を問わない。その専用液は、乾くと水をはじき、独特の風合いが生まれる。

 たとえば、ペーパーナプキンのお気に入りのイラスト部分をカットして、トレーなどの器に貼り付ける。これだけで世界に二つとないオリジナル雑貨の完成だ。デコパージュに用いるペーペーナプキンは、なんといっても柄が豊富でカワイイ北欧ブランド、マリメッコやイケアの人気が高い。

 さほど費用がかからないことから、家計を預かるママの実用的な趣味という側面がある。たとえば、白い上履きにほどこすデコパージュは、よく靴を取り違えやすい幼児に向いていそうだ。もちろん、デコパージュ液によるコーティングを念入りにすれば、洗うことにも問題がない(漬け置き洗いをしないなど、いくぶん注意は必要だ)。

 もともと、デコパージュの起源は17世紀のヨーロッパで、漆を塗り重ねる日本の漆器の技法が参考になったといわれている。ゆえに、我が国になじみやすい手芸といえるのかもしれない。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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