ここ数年、一部の女性のあいだで「苔」に注目が集まっているというから、なかなかにシブい。「苔ガール」という言葉もあるそうだ。これは緑に癒される「ボタニカル(植物)ブーム」の流れらしい。

 たとえば、日本蘚苔(せんたい)類学会より「日本の貴重なコケの森」として認められている奥入瀬(おいらせ)渓流(青森県十和田市)のホテルでは、「苔ガールステイ」というプランが立派に成立している。その人気はしっかりと集客に結び付いてもいるのだ。

 そこまでディープでなくとも、暑い季節に涼を得られるインテリアとして、「コケリウム」なるものが注目されている。透明な容器の中で植物を育てる「テラリウム」の苔バージョンだ(「苔テラリウム」とも呼ばれる)。もちろん、勝手がわからなければ、専門店で完成品を購入するのもいい。だが出来合いでなくとも、ベースとなるガラス瓶を100円ショップで用意、メインの苔は近所から見つけてくるなど、気軽にハンドメイドできるところが魅力だ。ほかの植物に比べると、苔は手入れも決して難しくない。

 とはいっても、凝りだすとキリのない世界。苔は独特の幻想的な雰囲気を持っている。ネット上ではそのイメージを投影して、『トトロ』『もののけ姫』といったスタジオジブリのフィギュアを配置した、みごとな「作品」も散見される。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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