4月14日、16日未明に発生した熊本地震から2か月が経過した。この間、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)のツイッターで、「#くまモンあのね」というハッシュタグの付いたツイートを見かけるようになった。

 「#くまモンあのね」は、熊本県出身の放送作家・小山薫堂(くんどう)さんが立ち上げた「FOR KUMAMOTO PROJECT」という被災地支援活動の一環。「くまモン募金箱」というサイトをつくって寄付や募金を呼びかける一方、ツイッターのハッシュタグを利用して、被災地の状況を集めて広く一般に知らせている。

 くまモンは、九州新幹線の開通をきっかけにつくられたゆるキャラで、熊本県の営業部長兼しあわせ部長として、熊本の魅力をアピールするのが仕事だ。赤いほっぺのとぼけた表情とやんちゃな仕草が大人気となり、いまや「熊本といえば、くまモン」というほど人々に愛されている。

 その生みの親でもある小山さんは、今回、くまモンと一緒に支援活動を行なうことを決め、「#くまモンあのね」のツイートについて、自身のフェイスブックで次のように呼びかけていた。

 《被災地で見たり、聞いたり、感じた(ささやかでもいいので前向きな)心を和ますような意見を、Twitterでハッシュタグ「#くまモンあのね」を付けて、くまモンに報告するようにつぶやいてください。
 日本じゅうから熊本への想いが集まっている今、熊本県民の強さと優しさをアピールして、応援してくださっている皆さんに心のお返しができればと思います》

 ツイッターのハッシュタグを利用することで、世界中から集まった熊本への支援に対して、被災した人たちが現状を伝えることで、双方向のコミュニケーションを生み出すことが可能になる。それは、これから長く続く、支援活動にもつながっていくだろう。

 時間が経つと、マスメディアによる被災地報道は徐々に減っていく。だが、報道されなくなっても、地震の被害がなかったことになるわけではない。これからの暮らしを不安に想い、失ったものに心を痛めている人たちがいるのだ。

 今回の地震による熊本県の被害状況は、死者69名(災害関連死も含む)、行方不明者1名、重軽傷者1736名。住宅の被害は、全壊7577棟、半壊2万2784棟、一部破損10万8762棟。被害分類が確定していないものも含めると、合計14万1970棟が損壊しており、いまだ6211人が避難生活を余儀なくされている(政府現地対策本部会議、熊本県災害対策本部会議「平成28年熊本地震に関する情報」(第92報)6月14日現在)。

 阿蘇では、土砂崩れにより道路が寸断され、救急指定病院も閉院したままだ。熊本の象徴でもある熊本城も大きな被害を受けている。これらを元通りにして、被災した人たちが安心して暮らせるようにするためには、長い年月が掛かるだろう。

 復興・復旧に対して国が必要な予算措置を取るのは当然のことだが、個人レベルでの支援も不可欠だ。

 6月15日現在、「くまモン募金箱」には約2030万円の募金や寄付が集まっており、防災・減災のための啓発活動、被災した人たちの心の支援のための企画に使われるという。

 これからも「#くまモンあのね」を通じて被災地の様子を知り、復旧・復興を見守っていきたい。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   


早川幸子(はやかわ・ゆきこ)
水曜日「ニッポン生活ジャーナル」担当。フリーライター。千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、1999年に独立。新聞や女性週刊誌、マネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。2008年から「日本の医療を守る市民の会」を協同主宰。著書に『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)など。
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