最近、マスコミで取り上げられることの増えた「ブライン液」。パサパサの鶏胸肉を漬け込むと、ジューシーでやわらかくなると評判だ。とはいえ、以前より料理愛好家のあいだではそれなりに有名であった。欧米では「魔法の液体」でもなんでもなく、これに漬けておくのは一般的な肉の下処理なのだとか。

 語感はたいそうだが、作り方はいたってカンタン。「水・100cc、塩・5g、砂糖・5g」を混ぜるだけだ。塩が肉をコーティングすることで、肉汁を閉じ込めるという理屈らしい。「ブライン(brine)」とは塩水のことで、水に塩だけを混ぜてもブライン液とは呼ばれる。ただ、砂糖には水と肉のタンパク質を結びつける作用があるので、さらに効果が高い。

 ちなみに、事前にフォークで何か所か肉を刺しておくのがコツ(浸透しやすくなる)。肉全体を漬け込むためには、ボウルよりはビニール袋が適しているという。また、鶏肉以外の牛肉・豚肉などにももちろん使えるので、ステーキやトンカツなどでもその実力を発揮してくれる。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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