4月に発生した熊本地震から5か月が経過した。だが、今もまだ余震が続き、その数は2000回を超えている。また、16万6868棟(8月31日現在)の住宅が被害を受けるなど、被災した人々が元通りの生活を取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうだ。そうしたなか、今回の熊本地震を受け、気象庁は8月19日に余震確率の見直しを発表した。

 これまで、一定規模以上の地震のあとには、より大きな地震が起きないことを前提に、余震の発生予測が行なわれていた。しかし、熊本地震では、4月14日21時26分にマグニチュード6.5(震度7)の地震が発生し、いったん「本震」と発表したあとで4月16日1時25分により大きなマグニチュード7.3の地震が発生。

 この状況を受け、地震調査委員会が1923年から2016年6月までの地震を再調査したところ、マグニチュード5以上で震源の深さが30キロ以内の内陸地震は563回あり、そのうち、最初の地震よりも規模が大きな地震が35回(6%)発生していることが判明したのだ。

 これまで、大地震のあとの余震活動の見通しとして、気象庁は「余震の確率評価手法について」に基づいて、大地震の発生からおおむね1日後に余震確率を発表してきた。

 だが、熊本地震のように大地震のあとで、より大きな地震が発生することもあることが明らかになり、これまでの判定方法が妥当ではなくなったと判断。また、「余震」という言葉が、より強い揺れは起こらないと受け取られているきらいがあるため、余震の発表方法を大幅に変更することにしたのだ。

 今後は、地震発生直後から1週間程度は、過去の事例や地域の特性に基づいた見通しを発表するとともに、最初の大地震と同程度の地震への注意を呼びかけ、「余震」という言葉は使わないことになった。そして、1週間程度以降は、余震確率は発表するものの、「当初の5分の1程度」「平常時の約2倍」など、危険性が伝わるように数値的な見通しをもって伝えられる。また、周辺に活断層がある場合は、その存在を示すとともに、平常時より活発になっているかどうかなどが発表される。

 地震をはじめとした自然災害が起きたとき、我が身を守るためには、刻々と変わる最新情報に耳を傾け、正しく理解することが大切だ。地震列島の日本では、いつどこで大規模な地震が発生してもおかしくはない。

 熊本地震を受けて発表方法が変わった余震確率についても正しく理解し、いざというときに役立てたい。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   


早川幸子(はやかわ・ゆきこ)
水曜日「ニッポン生活ジャーナル」担当。フリーライター。千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、1999年に独立。新聞や女性週刊誌、マネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。2008年から「日本の医療を守る市民の会」を協同主宰。著書に『読むだけで200万円節約できる! 医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)など。
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