ワインといえば、ボルドーに代表されるようなフランス産。そのイメージは容易には動かないだろう。とはいえ、実際の市場では大きな変化が起きている。2015年、チリ産のワインは、輸入量でフランス産をわずかばかり抜いたのだ。

 これ以前より、おそらくワイン好きならばチリ産の勢いを知っていたはずだ。手頃な値段でアベレージの高いワインということで、チリ産は我が国で着実に信頼を積み重ねてきていた。

 チリのブドウは非常に良質であるとされる。それもそのはず、本場フランスにルーツを持つのだ。ワイン史において、19世紀に起こった悲劇は有名だ。ヨーロッパ中のブドウの木が、大量発生した害虫・フィロキセラに食い荒らされてしまったのだ。このときワインのプロフェッショナルたちは、ヨーロッパに見切りをつけ、新天地を求めて南米にやってきたという。なかでもチリの気候は、収穫期にほどよく乾燥するなど、ブドウ栽培にたいへん適していた。

 チリ産は良質といえるワインでも、かなり安い。2007年に発効した日本とチリの経済連携協定によって、関税がかなり下がっているからだ。「安かろうまずかろう」ということはないので、まずはコンビニなどで手にとってみてはいかがだろうか。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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