2016年、秋冬ファッションのキーワードとして「アムラー」が話題になっている。アムラーとは1990年代半ばを席巻した若者のスタイルで、歌手・安室奈美恵の当時の装いを意識したもの。リアルタイム世代からすれば過ぎ去ったブームであり、意外な状況に感じる。

 とはいえ、シャギーの茶髪・日焼けした肌が十代の象徴だった時代はとうの昔。今回のトピックは、これからの季節に人気が予見されるアイテム、たとえばニーハイブーツやチョーカーが、なんだか「アムラーっぽい」ということに過ぎないだろう。アムラーがキャッチーなフレーズとして利用された感もあるのだが、現在もなおアーティストとして第一線にいる、安室奈美恵という存在の大きさがうかがえる。一個人の名前から来ている呼び名が、いまだに一時代のスタイルとして、流行語の枠を越えて通用するのだから。

 ちなみに、当時のギャルのファッション自体も特に斬新だったわけではなく、1970年代ファッションのリバイバルであった。今回の場合も、世界的な70年代人気のトレンドが、日本流に解釈されると「アムラーっぽい」となるわけだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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