2016年8月29日、タイで最も高いビル「マハナコン」がバンコク・ナラティワート通りで開業した。77階建て、314mの高層もさることながら、話題になっているのはその「容貌」である。まるでバグを起こした初期のビデオゲームのように、ビルの中間や先端の部分が欠けて、凸凹したフォルムとなっているのだ。子どもの頃に思い抱いた未来のビジュアルな景観をそこに見る人も多いだろう。ホテルやレストラン、高級マンションのリッツ・カールトンレジデンスなどが入っている。

 デザインを担当したのはドイツの著名な建築家、オーレ・シェーレン氏。彼の作品群は素人目には個性の強い(強すぎる?)ものが多い。中央部が無く、L字を組み合わせたような構造を持つCCTV(中国中央電視台)の本部ビルなどは、賛否両論の議論が巻き起こった仕事だ。

 今回のプロジェクトは、高級不動産開発「ペース・デベロップメント」が手がけた事業である。同社は北海道のニセコにおける別荘の開発、アメリカの高級食料品店「ディーン&デルーカ」の買収など、いまビジネスの世界でかなり注目されている。バンコクの新しいランドマークとなったマハナコンは、タイ発のデベロッパーの国際的な存在感を象徴する存在でもあるのだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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