人気VOCALOID(ボーカロイド。略:ボカロ)曲の替え歌で学べる「CD付きの中学生向け学習参考書シリーズ」のこと(学研プラス刊)。

 昨年4月に発売された『MUSIC STUDY PROJECT ボカロで覚える 中学歴史』『同理科』の累計発行部数は、発売1か月で10万部を超え、今年2月にも英単語や数学バージョンの“続編”が発売予定、教育業界では異例の大ヒットを飛ばしているらしい。

 初音ミクが日本の通史を歌う「千本桜」や鏡音レンが気象・天気の変化を歌う「厨病理科ボーイ」など要点をおさえたボカロ曲とともに、テキストでしっかり学習できる。編集部には「こんなの待ってました!」「ボカロ曲ですんなり頭に入ってくるので、教科書で勉強するより100倍楽しい!」……などの声が中学生から多く届いているようで、「勉強に遊び要素を取り入れることによって、つらさをちょっとでも紛らわせ、得した気分になりたい」といった思春期特有の“サボりグセ”につけ込んだ、まことに秀逸な企画だと言えよう(※なお、この“サボりグセ”は筆者が原稿を極力喫茶店で書くことによって、「ティータイム中に原稿が一本あがっちゃってラッキー!」と、ほのかな幸福感に浸るメンタルと酷似している)。

 ただ、耳に残りやすいシンプルめな音楽に乗っけての記憶術はそれなりに高い効果を見込めるのもたしかであり、昨今流行った身近な曲を使用するなら、ピコ太郎の「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」あたりが有効かと思われる。約1分も使って、3つくらいのことしか覚えられないのが唯一の欠点ではあるが……?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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