日本の5人組ムード歌謡コーラスグループ。メンバーの年齢層は40代半ばから30代前半、うち4人が特撮番組でレギュラー出演経験のある俳優で構成されており、「親孝行・紅白歌合戦出場・全国47都道府県で唱うこと」を結成以来、スローガンとして揚げている。

 3年間のボイストレーニングを経て、2010年『涙の銀座線』でメジャーデビュー……と、下積み期間も含めれば“10年選手”のれっきとしたベテラングループで、「近年の演歌歌謡界にない躍動感溢れるパフォーマンス」が口コミで話題となり、去年あたりからじわじわと脚光を浴びはじめてきている、らしい。

 今回、この『純烈』がブレイクの兆しを見せている要因のひとつに「スーパー銭湯での地道な営業活動」が挙げられているが、たしかにスーパー銭湯で聴く“ナマ演歌”は、湯上がり・座敷・生ビール……ほか諸々のベストマリアージュ的要素がてんこ盛りで、まことにもって風情がある。

 一度、筆者も某都内のスーパー銭湯で、ピンの妙齢な女性歌手の演歌ショーを実際に鑑賞した経験があるのだが、その熱唱ぶりに全身をぽっかぽかに赤らめたオジサン・オバサンだけじゃなく、20代のカップルまでもが大いに盛り上がっていた。「イマドキのヤングは意外とスーパー銭湯好き」といった定理もまた追い風となり、従来の演歌ではあり得ない広い層の支持を得ているのかもしれない。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
ジャパンナレッジとは

ジャパンナレッジは約1700冊以上(総額750万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題のインターネット辞書・事典サイト。
日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。

ジャパンナレッジ Personal についてもっと詳しく見る