2月14日のバレンタインデーが近づくと、ティーンの男女はそわそわし始めるもの。いくつもらえるのか、意中の人からもらえるのか。そんな可愛げのある悩みも、あとで振り返ると懐かしい思い出だ。だが、一部の成人女性にとっては、バレンタインなど面倒なだけらしい。いっぱしの企業の中でも、女性社員が義理チョコを周囲に配るべき空気感が存在したりする。

 もちろん、まっとうに仲間意識でチョコを配ることを楽しんでいれば問題はない。最近では、きょうだいや親にチョコを贈って、日頃の感謝を示すという動きも見られるようになった。母の日、父の日がある一方で、きょうだいに親愛の情を示す機会は比較的少ない。バレンタインはよいきっかけにもなるという。昔ながら(?)の、母親が息子にあげるチョコ、というパターンも多いはずだ。こうした家族に贈るチョコが、「ファミチョコ」と呼ばれるもの。

 従来の本命チョコからの視点では、ファミチョコも義理チョコのうちにカテゴライズされそうだが、気持ちのぬくもりが伝わって悪くない。ちなみに、こうした動きのほかに、女子のあいだでは「自分自身へのご褒美」としてチョコを購入する「自分チョコ」も常識的になりつつある。バレンタインのあり方も、時代とともに変わってゆく。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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