人気男性俳優ら今をときめく男子たちを足して割ったようなイケてるメンズ(=イケメン)のこと。

 モデル兼俳優の花沢将人(28)がその代表格とされており、綾野剛(35)に菅田将暉(すだ・まさき)(24)、そのうえ成田凌(りょう)(23)に赤西仁(じん)(33)……ほか、名だたるイケメンがハイブリッドされていると評判……なんだそう。

 筆者のような50代のオジサン世代からすれば、「複数のイケメンに例えることができる顔立ち=特徴と印象の薄いハンサム」としか思えないのだけれど、近年若い世代のあいだでは、そういう「突出感の無さ」がイケメンという概念、ひいては社会適合における処世術の主流となりつつあるようだ。

 とは言え、「一人のイケメンだけに偏って似ている」のは、たとえば「郷ひろみに似ている=若人(わかと)あきら(現・我修院達也(がしゅういん・たつや))」といった残念(?)なケースに到りがちなのもまた事実であり(※綾野剛だけに似ている男性はパチンコ屋や競馬場でよく見かける)、「似ているのバイブリッド」こそが、イマドキのするっとした塩顔系イケメンの基本概念なのかもしれない。

 ちなみに一昔前の筆者は、合コンやキャバクラなどに行くたび「筧利夫(かけい・としお)に似てる〜」と、かならず言われていたものだが、正直なところ全然うれしくはなかった。「○○に似ている」は、細心の注意を払って相手に告知しないと“褒め言葉”にはならないのである。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
ジャパンナレッジとは

ジャパンナレッジは約1700冊以上(総額750万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題のインターネット辞書・事典サイト。
日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。

ジャパンナレッジ Personal についてもっと詳しく見る