日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が2017年7月、大枠で合意した。2019年中の発効を目指す。

 協定は日・EUを合わせて世界全体の3割を占める巨大な経済圏が対象となる。これまで以上に日欧間の貿易が盛んになるのはもちろん、企業の取引も活発になる。安倍晋三総理大臣も、「アベノミクスの新たなエンジンが動き出す。経済成長に直結させたい」と期待を寄せる。

 経済連携協定は英語で、Economic Partnership Agreement。経済連携協定は、特定の国や地域との間で関税や貿易障壁を減らしたり、知的財産の保護、投資のルールを決めたりする協定のことを言う。似たような協定にFTA(自由貿易協定)があるが、これはEPAに比べ、より対象を絞ったもので、主に関税やサービス貿易の障壁等について、その削減・撤廃をはかるものだ。

 国際間の貿易・投資を巡っては、最近、米国・トランプ政権のTPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱、英国のEU離脱問題など、自由貿易体制に暗雲が漂う気配が出ている。そうした中での日欧・EPA大枠合意は、自由貿易体制を立て直す意味合いもある。

 日欧経済が活発化し、保護主義への流れをけん制する一方で、国内農業に影を落とす可能性も指摘されている。欧州からの輸入品との競争が、激しくなるからだ。

 例えば欧州産のチーズや豚肉で関税の一部を撤廃・削減されると、当然だが輸入が拡大し、国内産への影響は必至だ。この場合畜産農家、酪農家などへの対策は急務だ。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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