イギリスの『OED』(Oxford English Dictionary)に匹敵!
日本が世界に誇る知識資産「日本国語大辞典第二版」(全13巻)をインターネットで
「日国」をこよなく愛する作家の井上ひさしさんは、雑誌のインタビューでこう語っています。
「第一巻が本屋さんから届いたとき、思わずゾクゾクしました。あのときの興奮をいまでもはっきり覚えています。これで日本も文化的にも一等国の仲間入りができる。アメリカのウェブスターやイギリスの『OED』(Oxford English Dictionary)に匹敵する一流の国語辞典が、日本でもとうとう出版された、としみじみ思いました」
(小学館発行『本の窓』2000年8月号より)
(小学館発行『本の窓』2000年8月号より)
ここで井上さんが言っている第一巻とは、『日本国語大辞典』(初版)のことですから、それが井上さんの手元に届いたのは1972年12月のことです。それから35年を経た2007年−−21世紀の日本が世界に誇る知識資産『日本国語大辞典 第二版』のすべてのデータが電子化され、いよいよインターネットで自在に利用できるようになりました。世界最大・最高の日本国語辞典のオンライン版の誕生です。
1. 50万項目・100万用例
国語学や国文学者を筆頭に、歴史、仏教、民俗、自然科学など、幅広い専門領域の、3000人を超す権威ある研究者、専門家の協力を得て編纂された日本国語辞典のすべてがデジタル化され、巨大なデータベースとして整備されました。
例えば、「だかさる」【抱】で検索すると、青森県、岩手県、宮城県、山形県東部・南部、福島県、栃木下権塩谷郡、静岡などなど、意外に広く分布しているのがわかります。
書籍では、見出し相互の関連を『⇒』や『「~」に同じ』『「○○」の異名』などの形で表していますが、日国オンラインはこれら別の見出しに解説をゆだねている場合にはデジタルデータの特性を活かしてできる限りリンクして飛べるように工夫しました。
インターネットさえあれば、そのすべてを自在にサーチ、いつでもどこでも読むことができるようになっています。
2. 簡単・便利・多彩・充実の検索システム
言葉を調べるのに面倒なテクニックは不要です。入力ボックスに調べたい言葉を入力して[検索]ボタンをクリックするだけで、知りたい項目・言葉が瞬時に表示されます。
検索には、よりシンプルな「基本検索」と高度な複合検索の要求にも応えられる「詳細検索」の二つのモードが用意されています。
また検索範囲の設定では、「見出し」「全文」検索はもちろんのこと、「用例」検索では“全体”“本文”“出典情報”が、「方言」検索では“全体”“異形含む見出し”が選択できるなど、目的に応じた使い分けができるようになっています。
検索結果では、見出しだけでなく、本文の一部を表示することにより、より効率的に目的の言葉を見つけ出すことができるように工夫されています。
3. 本文の親子項目の参照機能
親見出し項目と子見出し項目が同一ページの内で見られるので、慣用句やことわざなども素早く探すことができます。
さらに、〔前項目〕〔次項目〕ボタンでは、検索した言葉(親見出し)の前後に並ぶ項目も連続して読めるようになっています。書籍の利点である一覧性をデジタルでも実現する工夫です。
また、方言を採録した方言資料も、独自の機能により本文画面より閲覧することが可能となりました。
4. 五十音の仮名字体表を収録
現今の字形の起源が理解できる「五十音の仮名字体表」を収録しました。
異体仮名、変体仮名を主要な写本から選び、出典と共に掲載。古事記・日本書紀・万葉集に見られる主要な万葉がなも付記しました。
5. 言葉の理解を深める約5000点の図版
歴史的な文献に掲載されている絵や、日本の伝統文化や風習にまつわる絵を中心に、関連図版約5000点を収録。
図版収録の見出し項目にはサムネール画像(小画像)が配され、クリックすれば拡大表示されます。